見た目のためにデータテーブルのマークアップを使用していませんか?
JIS 5.2 d); WCAG 5.4
 
 
概要

Webページに、ページのレイアウトではなく、表形式の情報を提供するために使われていると思われるテーブルがあります("表形式の情報" というのは、テーブルの二次元のマス目を用いて、テーブルの各セルにあるデータ間の論理的な関係を表現しているものを指します)。

そのテーブルが、実際に表形式の情報を提供していることを確認してください。

もし、そのテーブルが各セルにある情報間の相互の関係を示しているのではなく、単に画面上にグリッドを置くために使われているのであれば、このWebページはこのテスト項目をパスできません。

 
 
修正/チェック方法

テーブルおよびコンテンツを調べて、そのテーブルが表形式の情報を提供するために使われているかどうかを確認してください。

もしそのテーブルがレイアウトする目的だけで使われているならば、見た目の表現のためにcaption、th、thead、tfootなどのタグを使うべきではありません。

caption、thead、そしてtfootを削除して、すべてのth要素をtd要素に置き換えてください。その上で、必要なフォーマットのプロパティを指定したCSSのclass(例えば、"font-weight: bold; text-align: center;")を定義して、そのclass指定をth要素から置き換えたtd要素に追加してください。

 
 
修正/チェックのポイント

音声ブラウザは、表を左上から右下に読み上げます。そのため、表の要素や属性をレイアウト目的で使用した場合、作成者が意図しない順序で読み上げる可能性があります。
表の要素や属性を、レイアウト目的で使用する場合は、読み上げ順序を考慮してください。

  • レイアウトは、XHTMLとスタイルシートで行うことが望ましい。
    (ただし、Netscape Navigator 4.x など、古いバージョンのブラウザでは、正しく表示されないため、注意すること。)
  • 表(テーブル)の要素や属性を使用する場合は、読み上げ順序を考慮すること。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.2 構造及び表示スタイル
d)
表組みの要素をレイアウトのために使わないことが望ましい。
参考 HTML では,レイアウトに用いる表において構造を表す要素(th など)を使用すると,高齢者障害者支援技術が表と解釈してしまう可能性がある。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

th要素のようなマークアップを見た目の表現のために用いることは、アクセシビリティの低下につながります。実際に、音声ブラウザのような支援技術は、ユーザーがテーブル内を読み上げさせるときにはth要素のコンテンツを利用しています。ユーザーがテーブル内のあるセルを読み上げさせるときには、音声ブラウザは必ず関連付けられている見出しセル(th要素でマークアップされているセル)をそのデータセルと合わせて読み上げます。これにより、ユーザーは、現在位置のデータセルと見出しセルの関係を理解することができるのです。

しかしながら、もし、th要素が見た目の表現のためだけに使われていると、音声ブラウザのユーザーにはその相互関係がとても混沌としたものに聞こえて混乱してしまうでしょう。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/