誤った入力や操作によるエラーの対策をしていますか?
JIS 5.3 i);
 
 
概要

Webページに、object、embed、applet、button、input、select、textarea、isindex要素のいずれか、あるいは外部JavaScriptファイルがあります。もし、ユーザーがこのWebページで何らかの入力あるいは操作をしてエラーが発生した場合、元の状態に戻すか、あるいは誤入力した内容を修正することのできる手段を提供していることを確認してください。

 
 
修正/チェック方法

ユーザーがこのWebページで何らかの入力あるいは操作をしてエラーが発生した場合に、ユーザーがそのエラーを修正することができるように、元の状態に戻すか、あるいは誤入力した内容を修正することのできる手段を提供していることを確認してください。

あわせて、エラーが発生したときに表示されるエラーメッセージの文言が、以下の条件を満たしていることを確認するとよいでしょう。

  • どこにどういう問題があるのかを明確に示している
  • どのようにそのエラーを修正すればよいのかを具体的に示している
 
 
修正/チェックのポイント

操作ミスやエラーが生じたとき、利用者の中には、前のページに戻って、再度、操作し直そうとする利用者がいます。

特にフォームで、入力済みのフォームに戻れない場合や、入力済みのデータが消去されている場合は、入力操作を再度繰り返す必要が生じます。

入力した内容を利用者自身が確認できるようにすることで、入力ミスを防ぎ、利用者自身の安心感が高まります。

また、サイトで自動的に入力内容をチェックする場合、チェック結果の表示によっては、利用者が問題のある箇所を特定できない場合があります。

  • ブラウザの[戻る]ボタンなどで、前に表示した画面を、簡単に表示できるようにする。
    (特に、フォームの場合、ブラウザの[戻る]ボタンを押しても、「セッションが切れました」などのメッセージを表示しないことが望ましい。)
  • ブラウザの[戻る]ボタンなどで、フォームに戻ったとき、入力済みのデータをそのまま表示する(消去しない)。
  • 入力後、送信前に、利用者自身が入力内容を確認できるようにする(例えば、送信前に入力内容の確認画面を表示するなど)。
  • 入力内容の確認画面を表示するときは、画面を簡単に印刷できることが望ましい。
  • サイトで自動的に入力内容をチェックする場合、文字種などの入力エラーメッセージは、こまめにその都度表示することが望ましい。
  • 入力内容のエラー画面を表示するときは、問題のある入力項目と問題のない入力項目を明確に示す。さらに、問題の修正方法を明確に示すことが望ましい。
  • フォームの送信後に、利用者への適切なフィードバックを行う(例えば、「申し込みを承りました」など)。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.3 操作及び入力
i)
利用者がウェブコンテンツにおいて誤った操作をしたときでも,元の状態に戻すことができる手段を提供しなければならない。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

ユーザーが何らかの入力や操作をするようなインタラクションのあるWebページでは、ユーザーの入力や操作によってエラーが発生することが考えられます。もし、ユーザーが誤った入力や操作をしてエラーが発生した場合には、ユーザーがそのエラーをクリアして作業を最後まで完了できるようにナビゲートしなくてはなりません。

その最たる例が、入力フォームのあるコンテンツでしょう。入力フォームにおける注意点としては、以下のようなポイントがあります。

  • 入力したデータを送信する前に入力内容を確認できるページを提供する
  • 入力内容に誤りがあった場合には、入力内容を修正できる手段を提供する
  • 入力内容を修正するページでは、どの項目の入力内容に問題があるのかを分かりやすく示す
  • 入力内容をどのように修正すればよいのかを分かりやすく示す

入力フォームで入力内容を修正できる手段を提供していたとしても、以下のようなケースでは、ユーザーが入力を最後まで完了できない恐れがあります。

  • 入力フォームのページに戻ったら入力内容がすべて消えていた
  • 「入力内容に誤りがあります。」とだけしか書かれていないため、どの項目を修正すべきか分からない。
  • 「(項目名)に誤りがあります。」とだけしか書かれていないため、何が問題で、どのように修正すればよいか分からない

特に、エラーメッセージは、どの項目に問題があって、それを修正するためには具体的にどうすればよいのか、を分かりやすく示していなければ、ユーザーは入力データを送信できずに、途中であきらめてしまう恐れがあります。エラーメッセージの文言にも細心の注意を払うようにしましょう。

また、リンク切れなどの際に表示される "ページが見つかりませんでした"(いわゆる "Not Found")のページは、あらかじめサーバで設定しておくことで、代わりにそのサイトの主要なページへのリンクを一覧にしたWebページなどを表示させることができます。ユーザーがURLの入力をミスすることもありますので、こういった配慮をしておくことで、ユーザーはより安心感を感じながらサイトを利用し続けることができるでしょう。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/