ソースコードは標準仕様に準拠していますか?
JIS 5.1 a); WCAG 3.2;
 
 
概要

Webページを自動的にチェックするツール(すなわち、Webページのソースコードが標準に準拠しているかどうかをチェックするフリーのプログラムあるいはサービス)があります。そういったツールを用いて、標準仕様に準拠していることを確認することが大切です。

 
 
修正/チェック方法

Webページのソースコードが標準に準拠していることを確認してください。問題があるかどうかをチェックして、改善方法を見つけ出すために、HTML、XHTML、CSS、あるいはXMLのチェッカーを使ってください。

 
 
修正/チェックのポイント

ウェブコンテンツは、各種のブラウザやOS・支援技術(注)などとの連携によって利用者に提供されます。

広く一般に定められた規格や技術仕様(HTML文法など)に準拠することで、ウェブサイトを有効に利用することができます。

(注)支援技術
障害のある人が、IT機器などを利用できるようにする技術のことです。
音声ブラウザや画面拡大ソフト、キーボードエミュレータやジョイスティックマウスなどがあります。アシスティブテクノロジー(Assistive Technology)とも言います。

  • HTMLやCSSなど、W3C(World Wide Web Consortium)で検討している技術は、W3Cが公式に発表している正しい文法で記述する。 W3Cで廃棄予定または推奨していない技術は使用しない。
  • ブラウザや音声読み上げソフトなどの支援技術との整合性に考慮すること。
    特定のブラウザや音声読み上げソフトの固有の問題で不具合が生じる場合は考慮しなくともよい。
  • HTMLのコーディングにおいて、不要な記述はなるべく避けること。
    例えば、HTMLを修正する過程で文字や画像を囲んでいない<a>(リンク)タグが残ってしまうことがある。このような不要なタグは、コンテンツを表示したり操作するうえで不都合が生じる恐れがあるため削除しておく。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.1 規格及び仕様
a)
ウェブコンテンツは,関連する技術の規格及び仕様に則り,かつ,それらの文法に従って作成しなければならない。
参考 支援技術は,ウェブコンテンツが規格及び仕様,並びに文法に従って正しく書かれていることを前提に作られている。正しく書かれていない場合には,支援技術が正しく動作しなかったり,利用することができなかったりする可能性がある。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

標準規格に準拠してコーディングをすることで、ドキュメントをあらゆるWebブラウザやユーザーエージェントと互換性を持たせることを(将来的にも)保証することが可能になります。

その反面、特定のブラウザの種類やバージョン向けにコーディングすることは、そのブラウザの新しいバージョンおよび新しいブラウザが開発されたときには読むことができなくなる恐れがあります。主要なブラウザだけでなく、ユーザーは音声ブラウザ(例:ホームページ・リーダー)、テキストブラウザ(例:lynx)、あるいはPDAや携帯電話のミニブラウザなども使っているかもしれないということを考えてみてください。また、人間の訪問者だけでなく、検索エンジンのロボットや情報を収集する特別なユーザーエージェントがサイトを訪れることもあります。こういったユーザーエージェントもまた、標準に準拠したドキュメントからの恩恵を受けるでしょう。

構文チェッカーを用いることで、そのドキュメントにミスがあるかどうかを確認できます。ドキュメントに意図せず挿入されてしまったミスというのは、予期しない、かつ時には検知すらできないようなアクセシビリティ上の問題につながる恐れがあります。ソースコードのチェッカーは、Webページの制作段階において早期にエラーを発見することのできる有効なデバッグツールだといえます。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/