引用箇所のマークアップを見た目のために使用していませんか?
JIS 5.2 a); WCAG 3.7;
 
 
概要

Webページに、blockquote要素あるいはq要素でマークアップされているテキストがあります。もし、このテキストが引用箇所ではない場合は、(X)HTMLソースコードを修正してください。

 
 
修正/チェック方法

Webページでblockquote要素(あるいは、q要素)でマークアップされたテキストが、本当に引用箇所であるかどうかをチェックしてください。

もし、引用箇所でなかったならば、blockquote要素(あるいは、q要素)を削除し、div要素(あるいは、span要素)に置き換えて、CSSのclassでblockquote要素(あるいは、q要素)で得られる見た目を指定してください。

 
 
修正/チェックのポイント

構造のための要素や属性と、表現のための要素や属性を切り分けて使用することにより、音声ブラウザなど、多様なブラウザの機能が利用できます。

また、自分で作成したスタイルシートで、ホームページを参照している利用者もいます。構造のための要素や属性を正しく使用していない場合、利用者独自のスタイルシートが正しく適用されないことがあります。

  • 以下のような、構造のためのタグは、文字表現だけの目的で用いないこと。
    • 見出し(<h1>タグから<h6>タグ)
      文字サイズの指定に使わない。
    • 引用(<q>タグ、<blockquote>タグ)
      インデントのために使わない。
    • リスト(<ul>タグ、<ol>タグ)
      インデントのために使わない。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.2 構造及び表示スタイル
a)
ウェブコンテンツは,見出し,段落,リストなどの要素を用いて文書の構造を規定しなければならない。
参考 文書の構造は,音声ブラウザなどが利用者に適切な音声情報を提供するために不可欠な情報である。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

これらのタグを(見た目のフォーマットのために)誤用することは、アクセシビリティの低下につながります。スクリーンリーダーあるいは音声ブラウザは、誤ってマークアップされたテキストを、ユーザーに引用箇所(他者の著作やコメントの参照)として伝えようとして、他の部分とは異なる音声や速度で読み上げてしまうでしょう。

もし、その "引用箇所" が、コンテンツの一部の見た目をフォーマットするために、blockquote要素あるいはq要素でマークアップされているだけだったとしたなら、ユーザーは混乱してしまいます。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/