サイト全体の中での現在位置を示していますか?
JIS 5.2 g);
 
 
概要

Webページにサイト全体の中での現在位置が示されているかどうかを確認する必要があります。

 
 
修正/チェック方法

パンくずリストなどを用いて、そのWebページがそのサイト内でどこに位置するのかをユーザーに分かりやすく示していることを確認してください。

 
 
修正/チェックのポイント

現在位置の表示がないと、利用者は、サイト全体、もしくはコンテンツ内のどこを参照しているか、わからなくなることがあります。

  • 情報構造や操作フローを表示し、現在表示している情報を明確に示す。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.2 構造及び表示スタイル
g)
閲覧しているページがウェブサイトの構造のどこに位置しているか把握できるように,階層などの構造を示した情報を提供することが望ましい。
参考 作業の中断などによって,それまでの操作の記憶があいまいになり,現在の位置の把握又は作業の目的が分からなくなる場合がある。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

ユーザーがそのWebページを利用しているときには、様々なシチュエーションが考えられます。例えば、何かの事情によって作業を一時中断してから再開したとき、それまでの状況を思い起こすためにそのWebページがサイト全体の構造の中でどこに位置するのかを確認したいことがあります。そして、自分の現在位置が把握できないことで、作業を継続できなくなってしまうといったこともありえます。

また、多くのユーザーは、Webを利用する際には検索エンジンを使用しています。その際、そのページだけでユーザーの目的が達成されれば別ですが、そうでない場合は、そのWebページを起点としてサイト内を移動するために、そのWebページがそのWebサイト全体の中でどこに位置するのかを把握できれば、ユーザーは効率よくそのサイト内を移動することができます。ユーザーの多くは、そのWebサイトのHOMEページからそのサイト内に入っていくわけではないということも念頭に置いておく必要があります。

Webサイト内でのそのWebページの現在位置を示す方法としてよく知られているものに、いわゆるパンくずリストがあります。これは、サイトのHOMEページを起点として、各階層へのリンクを ">" で階層と階層の間をつないだツリー構造で示す手法で、別名トピックパスともいいます。特に大規模なWebサイトなどでは、ユーザーがWebサイト内での現在位置を見失わないようにするためによく使われているものです。"パンくずリスト" という名前は、童話の「ヘンゼルとグレーテル」で、主人公が森で迷子にならないように通り道にパンくずを置きながら歩いた、という話に由来しています。

もちろん、手法は "パンくずリスト" に限られるわけではなく、またどのようなWebページにも必ずパンくずリストが必要である、というわけでもありません。どのような手法であれ、そのWebページ内にサイト全体の中での現在位置をユーザーに分かりやすく示すことがポイントです。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/