ホットスポットのalt属性が無効です
JIS 5.4 b); WCAG 1.1; 508条 (a)
 
 
概要

このドキュメントにあるイメージマップのarea要素には有効な代替テキストがありません。有効な代替テキストは、以下のいずれにも該当しないalt属性値です。

  • 空("")である
  • 1つ以上のスペースのみ(" ")である
  • イメージのファイル名である
  • イメージファイルのサイズのみである
  • アルファベット150字以上である (これは推奨でしかありません: JIS X 8341-3、WCAG 1.0 や 508条では規定されていません)
 
 
修正/チェック方法

以下に挙げるポイントを念頭に置いて、area要素にalt属性を付加してください。

  • 代替テキストはリンク先を説明すべきである。そうでなければ、ユーザーはそのリンク先へ行こうとはしない。
  • "ここをクリック" や "こちら" ではなく、リンク先および機能をユーザーに分かりやすく説明する。
  • alt属性値の内容はブラウザには解釈されないので、(X)HTMLタグを記述しない。alt属性値に(X)HTMLのタグがあると、ユーザーを困惑させるだけでなく、検索エンジンをも混乱させる恐れがある。
  • alt属性値の代替テキストが長すぎると、ブラウザが後半部分を省略したり、ページの読み込みに時間がかかったりすることがある。目安として、英単語で10ワード、アルファベットで64文字以内にする。(訳者注:日本語の場合は全角文字なので、半分の32文字以内を目安と考えてください。)
 
 
修正/チェックのポイント

サーバサイドイメージマップの場合、音声ブラウザはリンク先の情報を読み上げません。
また、たとえクライアントサイドであっても、<area>タグに alt属性の指定がないと、音声ブラウザはリンク先のURLを読み上げます。音声ブラウザの利用者は、リンク先を把握することが困難になります。

  • クライアントサイドイメージマップを使用する。
  • 画像と同じHTMLファイル内に別途テキストでリンクを設ける場合は、サーバサイドイメージマップを使用してもよい。
  • <area>タグにリンク先を的確に示す alt属性を指定する。
    ただし、この場合、<area>タグの alt属性は、ブラウザで画像を表示しない設定にしている利用者が参照できない場合がある。別途テキストでリンクを設けることが望ましい。

『富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版』 © 2004 富士通株式会社

 
 
JIS関連項目

5.4 非テキスト情報
b)
ハイパリンク画像には,ハイパリンク先の内容が予測できるテキストなどの代替情報を提供しなければならない。
参考 視覚障害のため音声ブラウザなどを用い音声によって情報を得ている場合がある。その場合,音声ブラウザなどは,ハイパリンク画像を音声化できないので,代わりに代替情報(テキスト)を読み上げる。したがって,代替情報がないと利用者はハイパリンク先を識別・理解することができない。

JIS X 8341-3:2004『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報機器における機器,ソフトウェア及びサービス-第三部:ウェブコンテンツ』(© 財団法人 日本規格協会)

 
 
解説

alt属性値によりイメージマップの代替テキストを提供することができます。イメージマップはナビゲーションに必要な情報を視覚的に伝えているので、代替テキストを提供することは重要です。

alt属性でイメージマップのホットスポットを説明することで、画像を表示するブラウザ以外を使用しているユーザーがWebページを利用することを可能にします。alt属性値の代替テキストがなければ、そういったユーザーはイメージマップを利用することができません。

イメージマップの各area要素には、それぞれにalt属性がなくてはなりません。ソースコード例(http://www.jimthatcher.com/webcourse2.htm のチュートリアルから引用して一部変更):

   <IMG src="map.gif" alt="メニュー" usemap="#navigation">
   <MAP name="navigation">
   <AREA coords="1,1,40,100" alt="ホーム" href="../index.html">
   <AREA coords="1,100,40,180" alt="製品情報"
href="products.html">
   </MAP>

他のリンクと同様に、リンク部分のテキストはその部分だけで意味が通じるようにします。リンクのテキストは、あまりにも漠然としていてはいけません。"ここをクリック" などの表現は使わないでください。"ここをクリック" というのはデバイスに依存している(暗にマウスなどのポインティング・デバイスを指している)だけでなく、そのリンクをクリックした後に何があるのかが全く説明されていません。"ここをクリック" ではなく、リンクのテキストは、"アシカに関する詳細な情報" あるいは "このページのテキスト版" のように、リンク先の内容が分かるようにすべきです。

ハンドヘルド端末やテキストブラウザなどの登場により、alt属性値の代替テキストの重要性はこれまで以上に高まっています。多くのユーザーが、自ら選択して、あるいは必要に迫られて、スクリーンリーダーあるいは音声ブラウザとともにテキストブラウザを使用していることを考えてみてください。そういったユーザーとしては、視覚に障害のある人、電話越しにボイスブラウザでWebを利用している人、そして自動車内で音声ブラウザを利用している人などが挙げられます。

ユーザーエージェントがクライアントサイド・イメージマップの代替テキストをレンダリングできるようになるまで、クライアントサイド・イメージマップの各ホットスポットと同じテキストリンクを提供することで、グラフィックを見ることのできないユーザーに対してそのWebページをアクセシブルにすることができます。しかしながら、area要素のalt属性値に代替テキストを記述すれば、最近の新しいブラウザに対しては、それですでにそのWebページはアクセシブルです。

 
 
JIS X 8341-3について

JIS X 8341-3 の内容は、以下のサイトにて規格番号「X8341-3」で検索して、規格票をご覧ください。

  • 閲覧:日本工業標準調査会(JISC)
    http://www.jisc.go.jp/
  • 購入:日本規格協会(JSA Web Store)
    http://www.webstore.jsa.or.jp/